結婚式二次会の演出 ニューハーフ編

結婚式二次会の演出 ニューハーフ編

「ニューハーフ」ニューハーフ(和製英語:New + Half、英:Transsexual)とは、男性として生を受けた者が人為的に女性として生きたり、そうした風貌をして仕事や生活をする者の呼び名であり、現代日本における造語である。(Wikipediaより)

あなたはニューハーフと間近で接したことがありますか?

これは実際に起きた二次会での演出です。

今日は昔からの友人の結婚式だ。僕は仕事の関係上二次会にしか行けないのでこの日を楽しみにしていた。

新郎からは「二次会では色んなハプニングがあるかもしれないからお楽しみに!」そう言われていた。

受付を済まし中に入ると当日の挙式映像(撮って出し映像)が流れていた。

ウエルカムドリンクのサービスもあったので、僕は赤ワインを飲みながら撮って出し映像を堪能した。

お酒と二人の愛に僕はホロ酔い気分だ。

司会台には綺麗な女性が立っていた。

何よりその容姿はスタイル抜群で僕の好みだ。目はクリッとしてて鼻は高く艶やかな髪質、そして物静かに開宴を待つ姿…タイプだ。僕この人タイプだ…! あわよくばアドレスを聞いて仲良く…いやいかんいかん。今日は2人をお祝いしに来たのだ。

そんなくだらないことを考えてるうちに、オープニング映像が上映された。さぁいよいよ開宴だ。

カウンドダウンが始まり今日の主役の新郎新婦が入場した。

今ままでで一番輝いている姿だった。温かい拍手に迎えられ高砂につき、みんなに笑顔を振りまいた。

幸せいっぱいのその姿は本当に美しかった。

回りのゲストたちは美しい新郎新婦に釘付けだ。

司会者は一呼吸置き、マイクを手にして綺麗な口元へともっていった。

「それじゃあ二次会始めるわよ」

……?!!! 一瞬会場内が凍りついた。全員が司会者に目をやった。そう、彼女の声はガスガスだった。

「ご挨拶遅れましたっ。司会を務めますニューハーフの愛と申します」

なんとこの女性はニューハーフだったのだ。なんということだ。僕がさっきまで考えていたあんなことやこんなこと、全てニューハーフに対して思っていたことだったのか。

「みんなそんな怖がらないでよ? 食べたりしないから」

目が本気だ。

「式の後半にはショータイムもあるわよ どんどんあたしに絡んでらっしゃい」

しかしどんどん喋るな。

「あたし今日すね毛ソリ忘たから足元あんま見ちゃダメよ? ガハハハハハ!」

僕も含め、場がすごく盛り上がっている。会場をひとつにし空気が一気に変わった。あんなに静かな会場が大盛り上がり。この一体感を作る彼女いや、彼はいったい何者なんだ。とにかくこんな司会、そしてこんな二次会見たことないぞ! これは楽しい!!

ニューハーフ司会の饒舌な進行のもと、式はどんどん盛り上がっていった。

歓談中、ニューハーフの愛ちゃんは男性からも女性からも大人気で写真撮影会が行われた。

僕も肖り「オカマさん!写真撮ってください!」とお願いしたところ、「オカマじゃないわ! ニューハーフと呼びなさい!」と怒られた。なぜだ。

そんなこんなで式も後半になり、新郎新婦とゲストたちが歓談している中、ニューハーフの愛ちゃんは衣装に着替えるため中座した。

さあ、いよいよニューハーフによるショータイムの時間だ。

場内に鳴り響く、聞いたことのない音楽。重低音の響く中、彼女いや、彼は現れた。

何千と輝く青色のスパンコール衣装に身をまとい、特大の赤色のファーを首から下げ、首元から輝くピカピカな緑色のネックレス。彼女の中で光の三原色が完結している! 僕はそう思った。

ニューハーフは独特のステップを踏みながらゆっくりと場内をまわった。回りからの「あいちゃ~ん」という声。それに微笑み応えるニューハーフ。愛ちゃん。新郎新婦も大いに笑っている。こんなに楽しんでいる2人を見れて僕も楽しかった。

そしてダンスショーが始まった。ゆったりとしたダンスをしながら、各テーブルを回った。回りながら会場内を見渡し何かを探しているようだ。僕はその様子を凝視した。僕の視線を感じたのかニューハーフが振り向いた。すると、目があった瞬間、僕をロックオンしたかのように僕に向かってくるではないか。その時僕の脳内にはジョーズのBGMが流れていた。ニューハーフは僕の手をガシッと掴み、会場前まで連れて行った。いじるゲストに選ばれてしまったのだ。

どうやらショーの一貫でゲストを交えて演出をおこなうらしい。僕は言われるがままニューハーフの前に立たされ、ただただ呆然としていた。

僕の回りを舐めまわすように踊るニューハーフ。ほのかに香るフレグランス。僕の気持ちはアンバランス。

するとニューハーフは特大の赤いファーを僕に巻きつけた。意外に重量感のあるファーだ。これは女性では無理な重さだと思った。ニューハーフは僕に背を向けた。意外にたくましい背中だ。すると背中に位置する衣装のファスナーを指さして、僕に言った。

「取って脱がして?」

いいのだろうか。いやだめだ…。いや、大丈夫か? 女性ではないのか。いやでも身体は女性だぞ…。天使と悪魔が頭のなかで戦っている。そんな葛藤をしていると、

「はやく取りなさいよ!!」

また怒られた。僕はすぐさま無心でファスナーをおろした。するとなんということだろう。ギラギラに輝くサンバの衣装に早変わりしたではないか。

また会場内から拍手と歓声が起こった。BGMもアップテンポに変わり、場内には手拍子が起こった。

そしてニューハーフは僕の回りをぐるぐると回り、顔を近づけてきた。どんどん顔を近づけて来た。危ない。この距離はとても危ないぞ。気づいたら唇を奪われていた。ダイ○ンもびっくりの吸引力だ。

盛り上がる会場、爆笑の新郎新婦、輝くフラッシュの光。とても恥ずかしかったが何より2人が喜んでいたので結果オーライとしておこう。

新郎が言ってたハプニングとはこういうことだったのか…。

そしてニューハーフは会場をまた踊り回り、退場して行った。

大歓声の中二次会は幕を閉じた。回りのゲストたちは美しい新郎新婦に釘付けだ。

正直こんな二次会は初めてだった。二次会は歓談してビンゴするものだと思っていた。変わったことが好きな新郎新婦にぴったりな二次会だった。そして何よりニューハーフを通じて生まれた一体感。通常の二次会では味わえない盛り上がり。その全てが楽しく、あっという間の二時間であった。

以上が僕が経験した二次会演出だ。

ちなみに、「ニューハーフ」と「オカマ」の違いは工事を終えてるか終えていないかだそうだ。確か愛ちゃんは女子トイレへと入って行ったのを思い出した。

この日から、はるな愛やKABAちゃんを応援しだしたのは言うまでもない。

二次会演出